ゆれる思いと非日常の狭間に
農政課の平塚です。
水海道あすなろの里の運営担当をしている私ですが、最近は「考える」時間が増えてきました。
水海道あすなろの里では、これまで公民連携による効率化、魅力化を進めていくために、全国初の取り組み「トライアル・サウンディング」を含め様々な取り組みをしています。
市場の調査を踏まえ、今年度はいよいよ本格的な運営の効率化に取り組んでいくというフェーズになります。
※トライアル・サウンディング:市が保有する公共施設を暫定利用する民間事業者を募集し、一定期間実際に使用してもらう制度。行政側は民間事業者の事業集客力、信用、施設との相性を確認する。民間事業者が公共施設をアイデアの実験台にし、その後の長期的な運営で参加するハードルを下げる効果が期待されている。
(詳細は常総市HP参照)
広報からはじまりを読み解く
水海道あすなろの里は、昭和54年に開園した農業体験・宿泊ができる公共施設です。
過去の市広報を読むと、整備した時代の構想が読み取れます。
1975年4月の広報みつかいどう。水海道あすなろの里の名前はまだなく、自然休養村事業構想として、調査費が計上されている。
当時、水海道市の南西部、菅生地区、大塚戸地区では、農業の構造改善が急務の課題となっていたようです。
この産業構造を改善し、農家の収入や担い手、魅力を向上させる、そういった構想を持って、水海道あすなろの里は設置されたようです。
農業は日常の景色
農業はこの街の日常です。
日常にある風景、体験、経験を水海道あすなろの里という場所で提供していく。
こんな日常の場提供として、水海道あすなろの里は機能してきました。
今回水海道あすなろの里において公民連携による魅力化を進めるにあたり、考えるのは「非日常と日常の狭間」。
非日常の高い価値
現在、キャンプ場やアウトドアシーンは休日の余暇を過ごす場所の上位に挙がってくるメジャーな観光の一つとなっています。
そんなキャンプ場で過ごす時間は日常の喧騒を忘れ、ひとときを感じることのできる、ある意味「非日常」な世界。
非日常な里山の世界は、都会に住まわれている方にとっては、希少であり、高い価値を持っています。
日常に寄り添うということ
一方で、水海道あすなろの里の行政財産としての主な目的は農業体験。
常総という地域の日常の価値を感じていただく場となっています。
非日常なレジャーが多く生まれている一方で、こうした日常の風景、体験にも価値がある。
そういった「ケ」としての付加価値もこの公民連携で生まれたらいいなと最近考えています。
確かに、ビジネスとしては、非日常のほうが収益性も高く、成功もしやすい可能性があります。
ただ、公共施設というのは、市の所有する資産であり、価値です。
市民の方の日常に寄り添う場所でもありたいのです。
水海道あすなろの里の公民連携が展開されても、水海道地区南西部や常総市全体の地域の方々の日常的な場としての機能は生かしていきたい。
たいせつにしていく
そうした「非日常と日常の狭間」で。
より水海道あすなろの里が市民のみなさまのうれしい場所になるように。
日常にも寄り添える場所になるように。
そうした気持ちを大切にして公民連携の取り組みを進めていきたいと考えています。
今日はそんなお話でした。