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REAL VOICE#2 感動する道の駅を目指して 道の駅常総 駅長 須田裕次郎さん(道の駅常総指定管理者:株式会社COLLECT所属)

常総市では、地域の持つ可能性を発見し、従来の枠にとらわれない発想でそれらを強力に活かしていく地方創生時代の職員・組織を創ることを目的に、「地域経営をリードするための人材マネジメント部会2023」へ3名の職員が参加しています。
常総市の「10年後の持続可能な地域づくり」をテーマにインタビューをしている本マガジン“REAL VOICE”。今回は4月にグランドオープンした道の駅常総の駅長須田裕次郎さんにお話を伺いました。

入社後6年間培った経験を活かして道の駅常総へ

道の駅常総 駅長 須田裕次郎さん

Q:須田さんは入社して何年目ですか?

須田:「私は入社して7年目になります。入社以来6年間は静岡県内の事業所で、土産の卸業務をやっていました。仕事内容としては、道の駅のような店舗へ納入する側の提案をしていましたね。」
 
Q:土産品の卸業務を担当されていたんですね。入社7年目の2023年、道の駅常総の駅長に抜擢された経緯は何かありましたか?

須田:「自分から手を挙げたわけではありませんでした。ですが、ずっと入社当時より社長から、あなたは店舗もやった方がいいよと言われ続けていました。入社から6年が経過し、もう店舗担当はないだろうと思っていましたが、赴任が決まったとき、良い機会だとも思いました。全国転勤は基本的にあると考えて働いています。」

道の駅常総の駅長としての苦労

土産品の卸業務から道の駅店舗の駅長になった須田さん。オープン当初は新しい世界に苦労したと話します。
 
須田:「オープンして3か月が経ちますが、もう大変ですね。特に大変なのはマネジメントの部分。やはり人に関してです。道の駅常総には、従業員が全部で120名ほどいます。その従業員達の働く環境作りはもちろん、その他に関わる方も多く、生産者の方やメーカーさんもいらっしゃいます。生産者の方については現在210名ほど登録されているんです。」
 
オープン時の盛り上がりの陰で道の駅をまとめるため、たくさんの苦労を乗り越えてきた須田さん。道の駅常総の店舗は多くの従業員の方や出品者、生産者の方に支えられています。
 
Q:これだけ多くの方がこの道の駅に来るというイメージはできていたのでしょうか?
 
須田:「(着任前から)道の駅常総の立地は良いなとは思っていました。その部分では、お客様がたくさんいらっしゃる可能性はあるかなとは思いましたね。でもやってみないとやはりわからないので、お客様が来てくれなかったらどうしようと考えることもありました。」
 
Q:現在の1日の仕事の流れはどんな感じですか?
 
須田:「開店前に全体の朝礼を行い、その後,少し準備をしてオープンします。大体自分が入るのは一般部門とメロンパンの部門が多いので、そこに入りつつ、各所の課題などを1個1個こなしていく感じです。そして閉店後は、店内清掃をします。その後、終礼を行って、日報をパートナーさんに全員書いてもらいます。この日報は全て読んでいます。」 

Q:駅長という立場として事務仕事も多そうですね。
 
須田:「事務仕事は、これからもっと増えるだろうなと思っています。今は事務系を固めてくれているメンバーがいますので、自分がどちらかというと現場に入っていますが、中途半端になっていると感じています。現場にも出きれず、事務もちょっとやり切れずみたいな。体一つでは足りないですね。」

Q:道の駅常総がオープンして3か月、「あれは良かったな」というエピソードはありますか?
 
須田:「うちの会社はオープンの日に、「本日開店の心」というテーマでスピーチをすることになっています。そこでどれくらいパートナーさん(従業員)を感動させられるか、モチベートできるかというのに、このお店の命運が掛かっているという覚悟を持ってスピーチします。道の駅常総のオープン時も、それはもう超全力でやりました。思いの丈をぶつけて、パートナーさんの中には涙してくれる方もいました。自分の中ではもうちょっとこうした方が良かったなというのはありましたが、他の社員さんからは「歴代で一番よかったよ」という声や「他のお店の開店と比べて一番感動した」と言ってくれた方が多く、お世辞かもしれませんが、とても嬉しいことでした。」

感動する店づくりと褒め合う文化

道の駅店舗の風景。道の駅常総には,オリジナルの商品もたくさん並んでいます。

道の駅常総を運営する(株)COLLECTはお客様感動創造主義という理念を掲げています。感動というキーワードについて、須田駅長は熱く語ります。
 
須田:「お客様感動創造主義とは、「我々の商品は感動です、感動を売る会社ですよ」ということなんです。お客様が喜んでいただくことが自分自身の人生を豊かにすることに繋がっていると考えています。」
 
須田:「私自身として大切にしているのは常に笑顔でいること(笑)。そんなにやりきれていないんですが。」
 
Q:素敵な笑顔ですよ。会社の理念を従業員の方にしっかり浸透させるためにしていることはありますか?
 
須田:「会社には従業員が大切にするべき語録集があります。毎日の朝礼で、語録集の中から一部を読んで、感想を発表してもらっています。感想は0.2秒で挙手してもらって、何でも良いので発表してもらっています。考えるのでなく、とりあえず手を挙げてもらいます。まずは形からでも良いのです。「頭真っ白で、何も浮かんでいません」でもいいんだよと。何言ってもいいからとりあえずやってみましょうという感じですね。マニュアルにとらわれずに、お客様を喜ばせるためには、何をやっても正解ですよという部分のニュアンスも入ってると思います。」
 
Q:それはいいですね。マニュアルにとらわれず、働いている方の自由度を高め、モチベーションも上げていく。そこには、働いている方に向けての創造という意味合いも含まれるんですね。働いてるパートナーさんに向けた感動創造主義として皆さんが朝礼などで発表するときは褒め合ったりもしますか?
 
須田:「もちろん拍手はしています。飲食事業部では、拍手して「せーの、いいねっ!」とやっています!キッチンの中はとても良い空気感です。道の駅常総では、隙間バイトさんに入っていただく仕組みを取り入れていますが、いろいろな業界を経験された方でも「ここは雰囲気いいからまた来たいです」と言ってくれています。1階の店舗従業員の中には「ハッピーメロン!」と言いたくて入った方がいらっしゃいました。本人が来訪時に言われて嬉しかったからって。」

日本一の道の駅を目指して

Q:これからの道の駅、そして須田駅長自身にはどのような夢がありますか?
 
須田:「新しい商品の開発もそうですが、やはり地元のお客様が多いので飽きさせない上、地域の方が誇れる施設にしたいですね。友人来たら道の駅に連れて行こう。そういうようなところになれば、いいですよね。」
 
Q:道の駅常総ができて今はとても華やかな時ですが、これをさらに良くしていこうと考えたときに例えば、1年後、5年後、10年後の道の駅常総がどのように盛り上がって欲しいと思いますか?
 
須田:「盛り上がって欲しいですよね。日本一の道の駅を目指しています。まずは茨城県ナンバーワンかな。」
 
Q:先日調べたら、公式インスタグラムのフォロワー数が県内の道の駅で二位になってました。
 
須田:「そうなんですか!第二位ですか。社内的にも今のペースは良いです。去年オープンした、「道の駅くるくるなると」(徳島県鳴門市)だと1年弱でフォロワー数1万人達成というのが歴代最速とのことで取り上げられていました。それを上回るペースで増えてはいますが、まだ油断はできないですね。」
 
Q:1年で1万人はすごいですね!この道の駅では多くの方が出品されているとのことですが、その出品する方も、ある意味お客様だと思います。そういう方との交流はありますか?
 
須田:「出荷していただいたときのコミュニケーションと、業務的なものだとインボイス制度について、連絡したりしています。ゆくゆくは一度畑に行って取材させて頂き、インスタグラムなどでしっかり発信したいと思っていますが、まだ手が回っていないのが現状ですね。生産者さんをヒーローにしたいという思いがあるんです。それは地元産の野菜の魅力などをこの道の駅を通して日本全国に発信するという、この道の駅のコンセプトでもありますね。あと、茨城県の魅力度ランキングを上げたいですね。下から始まればあとは上がるだけ。最下位だと知ったときは、逆に良いなと思いました。」

地域の方とともに歩む道の駅に

Q:これから道の駅でやっていきたいことはありますか?
 
須田:「イベントや階段装飾などもしてみたいですね。」
 
Q:常総市内の学校の吹奏楽部などが、道の駅の階段などでオーケストラみたいに演奏したら面白そうですね。
 
須田:「道の駅のオープン時もやっていましたね。あと、2階のコミュニティスペースなどを地元の中学生の美術作品などの展示に活用するのも良いですね。」
 
Q:今は教育の現場でも「地域に繋がる」という点が学習指導要領の中に入っています。将来的には高校生の生徒さんが考えたものを道の駅で販売したり、商品開発に協力したりすることも良さそうですよね。
 
須田:「良いですね、高校生にメニューを考えてもらったりするのも面白そうですね。やはり、地元の学生さんが作ったと聞くと、心情的にも買いたいですし応援したくなりますよね。そういう取り組みは大事だと思いますね。」
 
未来を語る須田駅長の笑顔から、10年後の道の駅常総がとても楽しみになるインタビューでした。

【編集後記】
 長年の構想が結実し、グランドオープンした道の駅常総。道の駅常総の駅長として奮闘する須田駅長の言葉から、今後目指す「日本一の道の駅」の姿が見えてきたインタビューでした。感動させるためにすべての行動が決まっているわけではなく、自ら考え、とにかくやってみる。その先にお客様も従業員も市民も感動する世界がある。日々の苦労がありつつも、道の駅常総という場に集まる人の輪、繋がりの力が将来の道の駅常総の原動力になっていくと強く感じました。

(聞き手:谷田部久子/商工観光課、平塚雅人/デジタル推進課、松永寛人/常創戦略課  写真:平塚雅人 ※一部提供写真あり)


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