ロマンにあふれた風景からみえたもの
農政課の平塚です。
走りつづける街のマガジン「Trial」
今回は,先月水海道あすなろの里で開催された「ロマンチストとシャングリラ2020」に焦点をあてていきたいと思います。
今年も水海道あすなろの里でロマンチストとシャングリラが開催されました。
昨年を超える熱気と会場の一体感。
感染防止対策の中,あすなろの里の「新しい生活」の一幕が垣間見えた瞬間でした。
#未曽有の“壁”をのり越える
ロマンチストとシャングリラ。
これは,水海道あすなろの里で昨年から開催されている,キャンプができる音楽フェスの名称です。昨年,市が行った公共施設を無償で暫定利用できる取組「トライアル・サウンディング」を活用し,公共空間における音楽的利用の可能性をはかる取組として始まったものでした。
昨年12月に初めて開催され,冬場ながら,普段グラウンドとしてしか使用されていなかった場所に音楽フェス・キャンプサイトの空間が生み出されました。
(昨年のアーティストセッションの様子)
音楽アーティストも,フードやクラフト出店者も,来場者もみんなすべてが一体になってアウトドア空間を楽しむ。
水海道あすなろの里の今後の展開の可能性が「風景」として生み出された2日間でした。
そんな昨年の開催から,3か月後。
新型コロナウイルスは日本国内でも急激に感染が拡大,水海道あすなろの里をはじめとした市の公共施設は一定期間の休園を余儀なくされました。
緊急事態宣言解除後も感染防止対策の整備や,対面・接触の多い体験を中止するなど,「新しい生活」に向け,動きが日々加速しています。
#5月に開催するはずだったが…
ロマンチストとシャングリラも例外ではありませんでした。
冬の開催を経て,次期開催を年明けから練っていた主催者と市農政課は,開催の目標を5月中旬に定めていました。
しかし,その中での新型コロナウイルスの拡大。
ロマンチストとシャングリラ2020の開催も延期となりました。
#消えかけた灯火
新型コロナウイルスの感染拡大は,全国的にさまざまな場面で多大な影響を及ぼしています。
音楽フェスなどにおいても,例外ではなく,さまざまな地域でライブイベントの中止が相次ぎました。
音楽の灯火が消えかけていたのです。
何もできないのか。
いまできることはないのか。
企画開催の検討が止まっている中,会場となる水海道あすなろの里の施設を担当する私は,イベントを主催する音楽アーティスト「OWLMAN BLOSSOM」の二人の内なる想いを強く感じていました。
ー音楽をその場にいるすべての人で感じあいたいー
ーみんなが一体になって音楽を楽しめる場所をつくりたいー
事態は夏に向けて少し好転します。
新型コロナウイルスの感染拡大が少し鈍化し,県が発出する感染対策ステージも緩和。
11月6日~7日を延期後の開催目標としました。
#生み出された一体感と将来の風景
晴天に恵まれた週末。
開催当日は20~30張ほどのテントサイト,様々なフードやクラフトショップが集まる盛況。
人と人の間隔を確保し,それぞれが互いを大切にする。
その中でも音楽とアウトドアという2つの旗のもとに集まった方々の素敵な一体感が会場を包んでいました。
今回開催された,ロマンチストとシャングリラは,市主催のイベントでも,水海道あすなろの里主催のイベントでもありません。
水海道あすなろの里という「行政財産」を民間事業者(または民間の個人)が使用申請し,許可を受けて実施をする,民間提案型のイベントです。
行政が主催するイベントに比べ,民間主催者によるイベントは,企画自由度が高いことからイベントにおけるニーズの捕捉や企画を実施する際のフットワークが軽い傾向があると感じています。
アウトドアにおける空間の活用は日々さまざまな可能性が示されています。昨年から続いて,今回,こうした公共の屋外空間の活用をしていただけたことは,常総市にとっての一つの価値になると感じています。
市における公共空間は,水海道あすなろの里だけではありません。
だからこそ,水海道あすなろの里におけるこういった活用事例が,市の公共空間活用のきっかけになったら嬉しいと感じています。
もちろん,水海道あすなろの里においての公共空間の活用はまだまだ止まりません。
常総市農政課では,水海道あすなろの里の公共空間を活用したいというご相談に随時お応えいたします。
公共空間の活用の「ロマン」が詰まった2日間に想いを寄せて。
これからたくさんの「シャングリラ」のような風景が見られることを信じて。
常総市では公共空間の利活用を積極的に推進してまいります。