常総市が取り組むAIまちづくり
こんにちは。常創戦略課の宮川です。
昨年から当市で始まった本田技術研究所(以下、ホンダ)と取り組むプロジェクトについて、振り返りを含めて説明していきたいと思います。
ホンダは、2019年から市内でAIを活用した自動運転の研究開発を進めていました。都心まで車や電車で約1時間、研究拠点としている宇都宮市までも車で約1時間という立地や、市が掲げる政策に共感していただき、単なる研究開発にとどまらず市内で技術実証実験を行いながらまちづくりにAI技術を生かしていくことで双方の合意にいたりました。
「AIまちづくりに向けた技術実証実験に関する協定」を締結
2022年6月30日、AIや自動運転などの先進技術を活用した知能化マイクロモビリティと、それらモビリティを支えるまちづくりの実現を目指した「AIまちづくりに向けた技術実証実験に関する協定」を締結しました。
少子高齢化や多忙な未来社会、そしてアフターコロナの社会では、マイクロモビリティによる人とモノの自由で安全な移動のニーズが増加することが予想され、地域社会においては魅力ある仕事・住みやすいまちを実現するための地域活性化が求められています。
地域を活性化する人々の移動と暮らしの進化に向け、まちづくりに関する課題分析、AIや自動運転などの先端技術を活用したアイデアの創出及びその技術実証実験を両者で行っていきます。
これらの取り組みにより、新たなまちづくりの可能性を検討していきます。
(※知能化マイクロモビリティ…クルマとバイクの中間に位置付けされるコ
ンパクトで小回りが利く、環境性能に優れた電動モビリティであり、地
域の手軽な移動の足となる1人~他人数乗りを想定した車両)
「常総AIまちづくりコンソーシアム」
ホンダ・当市は、協定に基づき「常総AIまちづくりコンソーシアム」を設立していくことになりました。これは、市民や企業と一丸となり、市の課題と対策を検討しながら、まちづくりアイデアの創出を行い、AIまちづくりへ向けた課題分析やAIや自動運転等の先進技術を活用した街を活性化するアイデアの可能性を模索してものです。
(※コンソーシアム…協力して目的に沿った活動を行う企業・団体・自治体
等の共同体)
6月~9月にわたり、本田技術研究所の若手社員と市役所の若手職員が集い、ワイガヤ方式で話し合いを繰り返しコンソーシアム設立に向けて議論を深めました。(※ワイガヤ方式…ホンダが提唱した言葉で、立場の相違にかかわらず同じ組織に属する者たちが気軽に「ワイワイガヤガヤ」と話し合うこと。課題やテーマを共有しながら、自由にざっくばらんに話し合い、深いところにある答えを探り出していくやり方)
知能化マイクロモビリティ技術実証実験
地域交流センター(豊田城)東側駐車場にて、知能化マイクロモビリティの研究開発が始まり、10月31日・11月1日にメディアへ公開されました。そして、この場所を「AIモビリティパーク紫峰」と名付け、ついに当市にホンダの技術実証実験の拠点が誕生しました。
ここを拠点に、ホンダは独自のAI技術「協調人工知能」CI(Cooperative Intelligence)を搭載したマイクロモビリティの研究開発を行っていきます。AIは聞いたことあるけど、CIって何?と思う方もいると思います。
Honda CIは、簡単に言うと人とのコミュニケーションを通して、人と協調する人工知能のことです。詳細に関しては、常総市公式YouTubeチャンネルやホンダのWebページをご覧ください。
”いつでも・どこでも・どこへでも”人とモノの自由な移動を実現するマイクとモビリティ
少子高齢化・多忙な未来社会、アフターコロナ社会では、マイクロモビリティによる人とモノの自由な移動のニーズが増加することが予想されます。ホンダは、すべての人に”生活の可能性が拡がる喜び”を提供することを目指し、WaPOCHI(ワポチ)とCiKoMa(サイコマ)という2つのマイクロモビリティの開発を進めています。
CiKoMaは、2022年11月18日から水海道あすなろの里でも技術実証実験がスタートしています。ここでの目的は、白線のないより難しい走路での走路境界の認識レベルを高めることを目的としています。
また、今年の春には「道の駅常総」をはじめとしたアグリサイエンスバレー内をWaPOCHIが走行し、技術実証実験を行っていきます。
Honda CIマイクロモビリティ | 先進テクノロジー | Honda公式サイト
常総市公式YouTubeチャンネル「ようこそ市長室へ」(令和4年11月号)
AI × まちづくり①
【神達市長がAIまちづくりについてプレゼン!大井川県知事もCiKoMaに試乗体験!】
常総市公式YouTubeチャンネル「ようこそ市長室へ」(令和4年12月号)
AI × まちづくり②
【神達市長もCiKoMaに試乗体験!】
市の課題を克服し、AIによるあらたなまちづくりへ
当市は、人口減少・若者の流出、少子高齢化、公共交通機関の脆弱、後継者不足など、さまざまな課題を抱えており、時代に応じたまちづくりに転換していくことが重要です。これらの課題は、国内の地方都市でも同じであり、当市での成功例が全国各地に波及してくことも考えられます。
また、当市が目指す農商工が連携した6次産業でもAIを掛け合わせていきたいと思います。1次産業(農業支援)・2次産業(特産品の開発)・3次産業(食や教育への活用)と、AIを活用することにより地域経済を活性化させていきます。
ホンダの「人とモノの安全な移動」を実現する技術を、モビリティ分野以外にも活用することを通じて、さまざまな課題を克服し、当市の将来都市像「みんなでつくる しあわせのまち じょうそう」の実現に向けて取り組んでいきます。
今年の春から本格的にスタートするコンソーシアムにおいて、具体的な取り組みが提案されていきます。
これから本格的に始まる「世界のホンダ」と常総市の取り組みにご期待ください!
HondaStories「AI・知能化モビリティが地方を変える」
常総市・神達岳志市長と(株)本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域
エグゼクティブチーフエンジニア安井裕司さんによる対談が掲載されています。「なぜHonda×常総市なのか」「2030年以降の地方はどんな姿に」という、非常に興味深い内容になっています。どうぞご覧ください。
Honda×茨城県常総市の「AIまちづくり」技術実証実験が地方の未来を変える?| Honda Stories | Honda公式サイト
最後までお読みいただきありがとうございます。今後も、AIまちづくりの情報については、このnoteで紹介していきます。どうぞお楽しみに♪