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走り続けるベンチャー自治体でありたい。

―走り続けるベンチャー自治体でありたい。

はじめまして。常総市産業振興部農政課の平塚です。一昨日からスタートした常総市公式note、私は、主に農産物のPRや公共施設マネジメントの話題を書いてまいります。

常総市では、現在民間事業者の活力を導入することで、公共施設も行政施策もより良くなることを目指す、PPP(Public Private Partnership)を推進しています。
これまで、公共施設を舞台にトライアル・サウンディングや民間提案制度など、民間事業者とともにつくる公民連携に取り組んできました。

※PPP: Public Private Partnershipの略。公共サービスの提供に民間が参画していくこと。また、民間資本や民間ノウハウを活かしながら効率化、公共サービスの向上を目指すことをいう。

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常総市も全国のさまざまな地域、市町村と同じく、少子高齢化が進み、財政の強化が急務な自治体のひとつ。
公共施設も建築から30年以上経過しているものが多く、建物の更新も含め、今後どのように維持・管理していくかが非常に大きな課題となっていました。

ただ、公共施設を持ち続けることは、非常に重要です。街に必要な機能を公共施設は提供することができます。例えば体育館、生涯学習センター、あるいは、市役所庁舎。このそれぞれは、行政財産として、その目的をもって街のひとつの機能となっています。

私たち農政課の所管する「水海道あすなろの里」もそのひとつでした。水海道あすなろの里は昭和54年に学童農園施設として整備されています。当時から、菅生沼周辺は非常に豊富な自然が残っており、この自然環境を活かし、子どもたちを主な対象とした体験的学習、環境教育の場として運営されてきました。

※菅生沼:坂東市と常総市の間に広がる南北5kmほどの細長い沼。沼内には遊歩道が整備されており、東側にある「水海道あすなろの里」と西側にある「茨城県自然博物館」を結んでいる。菅生沼は生息する魚類や鳥類、植生が豊富で、ネイチャーフィールドとして人気が高いエリア。

水海道あすなろの里ホームページ

40年を迎えた公共施設の課題

水海道あすなろの里が開園して40年弱が経過した今。建物の老朽化、少子高齢化による子どもたちを対象としたコンテンツの市場縮小、運営の効率化などさまざまな課題が表面化してきています。

毎年維持するためにかかるコスト、集客しても単価が上がらない公共施設特有の収入問題…
このままでは維持できなくなるーー。
水海道あすなろの里の誘客拡大を検討していた私たちは、肌感覚でその危機を感じました。
公共施設を有効に維持していくために、私たち行政の力だけでは難しいとも感じていました。

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 “行政”と“民間”がともに街を活かす

この2年間、常総市では、公共施設を舞台に運営公募等を見据えた民間事業者への市場調査である「サウンディング調査」や、市場調査で出てきたアイデアを実際に公共施設で実験的に発生させる「トライアル・サウンディング」などを実施しています。

※トライアル・サウンディング:市が保有する公共施設を暫定利用する民間事業者を募集し、一定期間実際に使用してもらう制度。行政側は民間事業者の事業集客力、信用、施設との相性を確認する。民間事業者が公共施設をアイデアの実験台にし、その後の長期的な運営で参加するハードルを下げる効果が期待されている。
(詳細は常総市HP参照)

行政には行政の得意分野、民間事業者の方々には民間事業者の得意分野がそれぞれあります。集客をする施設であれば市場をとらえ、それに合ったコンテンツで集客、収益を図ることは行政より民間事業者の方々のほうが得意でしょう。

では、民間事業者の方々の力を借りるとき、私たち地方自治体は資金的支援のみで「おまかせ」してよいのでしょうか。
私たちがトライアル・サウンディングでもっとも重要視した点はここにあります。

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行政には行政の得意分野、民間には民間の得意分野があるのです。
民間事業者が公共施設で市場性のあるコンテンツを提供してくれたとき、それを地域に根付かせる仕事ができるのは何を隠そう、私たち地方自治体の行政なのです。

民間も行政もともにリスクを負うこと

トライアル・サウンディングでは、民間事業者が使用する際の土地使用料等を無償にしています。
これは、行政にとってはリスクです。本来であれば発生するはずの収入を免除していることになるのですから。

民間事業者にもリスクはあります。1泊2日のイベントを企画する場合は、そのイベントが収益となるだけの集客ができるのか、どれくらいの投資を行うのか、イベントは成功するのか。

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行政も民間もリスクを負っている。
これがトライアル・サウンディングの最大の特徴です。
リスクをともに負うからこそ、この施設を本気で活用しようとする。今後どのように使い倒していけるか、検討できる。そんな前向きな場が発生するのです。

公共施設の維持は、すべてが収益化、黒字化できるものだけではありません。維持管理・運営するにあたっては、行政から運営費用を補填する必要がある場合も結構あると思います。
そのような委託・受託のような関係にあっては、行政も民間も「受け身」になりやすいのです。それは、街にとっては,前に歩んでいても実は後退している、そんな状態になっているかもしれません。

ともに走っていく

私たちは、私たちの所管する公共施設を、たくさんの方に「使い倒していただく勢い」で活用してほしいと願っています。
常総市役所は民間事業者のみなさまや市民のみなさま、水海道あすなろの里ご利用のみなさまとともに街の未来へ向かって「走っていきたい」のです。

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そんな走り続ける方の伴走者になりたい。
私たち、農政課では今年度も水海道あすなろの里の公共空間をより良く、魅力的にするためにさまざまな検討、募集等を継続的に行っていきたいと考えています。

―走り続けるベンチャー自治体でありたい。

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